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01

日本市場へのさらなる浸透・拡大に向けて
トワイニング ブランドの新たな魅力を喚起する、
新商品開発に挑戦。

TOP - プロジェクトストーリー

MEMBER

瀬野 美希

瀬野 美希 Miki Seno

トワイニング・ジャパン株式会社(出向)
【2017年入社】

入社後、営業本部に配属され、関東エリアの量販店向け営業に従事。2019年より現職。以来、トワイニング ブランドの商品開発全般に関する業務を担当。

田上 和哉

田上 和哉 Kazuya Tagami

トワイニング・ジャパン株式会社(出向)
【2009年入社】

入社後、名古屋支店に配属。2013年に東京支店第一課(当時)に異動し、百貨店チャネルの営業担当に。2017年よりマーケティング部宣伝課にて全ブランド横断して広告宣伝・PRを担当。2021年より現職。

※所属は取材当時のものです。

INTRODUCTION ブランドイメージを一新する新商品を開発

300余年の歴史を持ち、今もなお世界中の人々を魅了し続ける、英国の老舗紅茶ブランド「トワイニング」。片岡物産は、1965年からトワイニングの輸入総代理店となり、日本におけるトワイニング ブランドの地位を確かなものにするとともに、日本の紅茶文化の発展に大きく貢献してきた。2007年にはトワイニング紅茶の日本国内における商品開発やマーケティングを行うトワイニング・ジャパン株式会社を、英国Twinings社と設立。常に本国(英国)と共に、中長期的な目線で、トワイニング ブランド全体の日本市場へのさらなる浸透・拡大へ向けてチャレンジングな施策を展開し続けている。
2022年8月に新発売した、フレーバー ノンカフェイン ティー「ザ・フルーツ(THE FRUITS)」の開発プロジェクトもその施策の一つ。日本市場にこれまでなかったフレーバー ノンカフェイン ティーという新カテゴリーの創造、従来のトワイニング ブランドのイメージを一新する取り組みなど、難易度の高いプロジェクトに挑んだ2人のメンバーの奮闘の日々を追った。

ブランドイメージを一新する新商品を開発
ダミー。伝統と革新こそが辻利のブランド力。

CHAPTER.01

日本市場にはまだない、
しかしニーズは確実にある
“フレーバー ノンカフェイン ティー”に着目

健康意識の高まりから、世界的にノンカフェイン ティーの需要が高まっている。欧米では、ノンカフェインで、かつフルーツなどのフレーバーがついた嗜好性が高い商品が数多く発売されており、若い世代を中心に人気が出てきている。商品企画・開発担当の瀬野は、その“フレーバー ノンカフェイン ティー”に着目した。「日本市場では、フレーバー紅茶やハーブ ティーは一般的に販売されているものの、フレーバー紅茶はカフェインが含まれていて飲用できる時間が限られていたり、ハーブ ティーは独特のくせがあるため好みが分かれるなど、お客様が求めるニーズを捉え切れていないと感じていました。カフェインが含まれておらず、味や香りがよくてどなたでも飲みやすい商品はまだ日本にはあまりないため、ぜひ、そうした商品の開発にチャレンジしたいと思いました。
2019年、本国(英国)と、ブランド全体の中長期的な目標を協議する中で、消費者調査を重ねてフレーバー ノンカフェイン ティーの需要性を検証し、本プロジェクトをスタートさせました。一番はじめに行った消費者調査で、このフレーバー ノンカフェイン ティーのコンセプトを提示してお客様の反応を伺ったところ、この商品に関して買ってみたい、飲んでみたいという声が既存商品と比較しても圧倒的に高い結果でした」。
実は英国ではすでにフレーバー ノンカフェイン ティーは発売済み。瀬野は期待感に胸を躍らせるとともに、この大元の商品をいかに日本市場に合わせて訴求していくか、検討し始めた。

日本市場にはまだない、しかしニーズは確実にある“フレーバー ノンカフェイン ティー”に着目

CHAPTER.02

日本の若い世代の女性にとって
魅力的で新しい味やパッケージを目指して

本プロジェクトのターゲット層は、従来の紅茶のユーザーより若い世代の20代〜40代前半の女性。それを踏まえた開発を行う中、瀬野がこだわったポイントは三つある。一つ目は、ターゲット層の嗜好に合った味わいで、かつ製造に適した原料を選定することだ。「原料にフルーツ ピースがふんだんに入っていて粘度が高いものもあり、製造機械で打ち出そうとするとうまくいかず……。何種類も発売したいブレンドがあったものの、検証の結果、製造に適さず諦めたものもあります」。
瀬野は製造部門の協力のもとトライ&エラーを重ね、最終的にはターゲット層のお客様の評価も高かった4種類のブレンドに絞った。
二つ目は、製品形状とデザインの新規開発。「本国の商品パッケージは、フルーツのイラストが大きく入った正六面体の形状で、日本の消費者調査でも評価が高かったので、その魅力的な見た目をしっかり表現したいと思いました」。
しかし同時に、そのままでは日本のお客様には魅力を訴求し切れないとも考えた。「本国のパッケージはロゴとブランド名が書いてあるだけで情報が少ないんです。日本市場では商品の特徴をしっかりとわかりやすく伝えることが重要と考えました」。
本国のデザインと大きく変えた点は、シリーズ名称を目立つ位置に配置したことだ。「実は、『ザ・フルーツ』は、日本で付けたもの。この商品は、ノンカフェインで、かつ、フルーツの味わいがしっかりと感じられるので、従来のハーブ ティーが苦手な方でも飲みやすい味わいです。その商品特長を直感的に感じていただきたくて、シンプルに『ザ・フルーツ』と命名しました」。
三つ目はティー バックを個包装で製造すること。「本国では三角形のティー バックがそのまま箱に入っているのですが、衛生面などの問題、また香味をよりフレッシュな状態で届けたいという思いから、個包装にこだわりました」。
さらに、瀬野は、価格設定にもこだわり、本国や資材調達部門と交渉して、お客様がお求めになりやすい価格を実現できるよう努力を重ねた。

ダミー。抹茶の特性に最新の注意を払いながら「辻利」の名にふさわしい商品を生み出す

CHAPTER.03

従来のトワイニング ブランドの
イメージをがらりと変える
クリエイティブを目指して

広告宣伝・PR・販売促進担当の田上が、本プロジェクトにジョインしたのは、2021年3月。瀬野が企画・開発した『ザ・フルーツ』のパッケージやブレンドを確認した瞬間、田上は、「これはマーケティング プランをうまく組み立てられれば成功する商品」だと手応えを感じた。
「コンセプトはもちろん、正六面体でカラフルなパッケージに今までの紅茶にない魅力を感じました。ターゲット層にウケそうだし、画一的なパッケージの商品が多い紅茶棚の中で確実に目立つと思いました」。
田上はターゲット層のインサイト分析、コンセプトメッセージ開発、広告制作代理店の選定、販促キャンペーン企画、CMや販促物制作、商談用ツール作成など多岐にわたる業務を、本国との折衝を重ね、さらに営業部門との連携を行いながら進めた。中でも注力した取り組みの一つはテレビCM・広告の制作だ。「過去のトワイニングのCMや広告は、紅茶の既存ユーザー層をターゲットにブランド認知と好意度を高められる落ち着いたイメージのクリエイティブが多かったと思います。しかし、今回は商品のターゲット層がぐっと若いこともあり、よりアクティブで楽しい印象を与えられるクリエイティブ開発を目指しました」。
CM・広告はブランド イメージに直結するため、本国のマーケティング担当者もこだわりが強いところ。そのため日本のクリエイティブ アイディアに関して承認を得るまでには多くのステップを要した。「定性的なプレゼンではお互い感覚論での話し合いになってしまい、良い結論が導き出せませんでした。そこで途中段階の仮CMを消費者調査にかけて定量的なデータを集めつつ、本国との折衝に臨みました」。
さらに田上が特に意識したのは、実際に商品を流通に浸透させてくれる営業部門との連携だった。「どんなに良い商品があって、良いCM・広告を作ることができても、実際に店頭に商品が並んでいない状態では消費者まで届けることはできません」。
田上は営業担当からのニーズを把握し、限られた予算の中でさまざまな支援施策を準備して実施した。自社内に『ザ・フルーツ』の世界観を表現した商談ルームを作ったのもその一例だ。「商談ルームは好評で、多数の流通企業の方々にご来社いただけました。『ザ・フルーツ』の世界観の中で試飲やプレゼンを行い、商品に対する理解を深め、結果として非常にポジティブな反応をいただきました」。
かくして新商品を世に送り出す準備は整った。

プロジェクトストーリー
ダミー。より良い商品を世に出すため追究の手は決して緩めない

CHAPTER.04

本プロジェクトを皮切りに、
ブランドの若年ユーザー層のさらなる拡大へ

2022年8月、いよいよフレーバー ノンカフェイン ティー「ザ・フルーツ(THE FRUITS)」が発売開始へ。初動は既存の商品よりも圧倒的に良く、非常に高い目標を掲げていたにも関わらず、計画通りに推移している。
「実は広告や販促施策はこのインタビュー時点ではまだ始まっていません。紅茶のハイシーズンになる11月頃から連動してスタート予定です。営業メンバーの尽力もあって導入は順調に進んでいるので、そこにCMや販促の効果が加われば、一気に跳ねるのではないかと期待しています」と田上は自信をのぞかせている。
瀬野は市場の好反応に喜びを噛み締めつつ、次の目標を見据えている。「今回の商品を皮切りに、若い世代の方にもトワイニングをもっと手に取っていただけるよう、魅力的な新商品を開発していきたいと思っています」。
田上も意欲を燃やす。「既存ロイヤルユーザーの方々も大切にしつつ、より若い世代からの支持が高まるようブランド イメージを変えていきたい」。
トワイニング ブランドのさらなる成長へ。瀬野と田上の挑戦はまだまだ続いていく。