• 西埜 啓 幼少のころから日常的に紅茶に触れていたため、飲む人をリラックス&リフレッシュさせる紅茶の力に魅力を感じていた。片岡物産は紅茶に限らず様々な嗜好品を扱っており、この会社の商品であれば人を幸せに出来ると思い入社。
    西埜 啓 学生時代の珈琲専門店でのアルバイト経験で、珈琲がいかに人の心と時間を豊かにするかを知る。その経験から、嗜好品全般を取り扱い、世界中の上質な製品や原料を日本に浸透させるというビジネスに興味を持ち片岡物産を志望。

創業300年以上の歴史を誇り、英国での紅茶文化浸透の原点になったとも言われる「トワイニング」。片岡物産は1965年から、このトワイニング紅茶の日本総代理店を務め、2007年には英国トワイニング社と共同で、トワイニング紅茶の日本国内における商品開発やマーケティングを行うトワイニング・ジャパン株式会社を設立、日本におけるトワイニングのブランドとしての地位を確かなものとするとともに、日本の紅茶文化の発展に大きく貢献してきた。
しかし、英国と比べるとまだまだ日常的に紅茶を飲む習慣が日本には少なく、トワイニングのファンをさらに拡大していくことが大きな課題である。その課題解決のために、2016年1月にプロジェクトチームが立ち上がった。その名は「トワイニング リデザインプロジェクト」だ。
既存ユーザーだけではなく、若い世代や紅茶ノンユーザーの方々など、より多くのお客様にトワイニングの紅茶に触れてもらい、ファンになってもらう。そのためには、より魅力的なブランドへの進化が必要であり、その進化の過程で創り出した新しいブランドイメージをお客様にしっかりと伝えていくことが重要となる。
そんな「トワイニング リデザインプロジェクト」に携わったプロジェクトリーダーとサブリーダーの2人に、プロジェクトの具体的な内容や施策、やりがいなどを聞いた。
ギフト用途の販売をさらに広げるため、未開拓の「パーソナルギフト」に着目

今回の「リデザインプロジェクト」は、これからのトワイニングの方向性を決定づけるものであり、日本はもちろん本国(英国)の関心・関与も非常に高いものだった。
「まず、ブランド本来の魅力を改めて見つめ直し、残すべきものと新たに取り入れていくものなどを整理していくことで目指す方向を明確にしていきました」とプロジェクトリーダーの西埜。それを受けて、サブリーダーの沖山は
「 “ワクワクする魔法の紅茶体験”という新ブランドコンセプトにもとづきディスカッションを重ねました」
「とにかく、新たな商品やデザインを考える際、ワクワクするかどうかが大きな軸になりましたし、そこからブレたりすることは一度もなかったです」と二人が口を揃える。
“ワクワクする魔法の紅茶体験”を提供していく、「新生トワイニング」が徐々に具体的なカタチになっていった。


リデザインされたパッケージ

晴れの場の最後に手渡されるギフトをもっと華やかなものにしたい

“ワクワクする魔法の紅茶体験”の具体的施策として先ず行ったのが、2016年秋の「インフュージョン テイスティライン」の発売である。これは、「ハーブティーは体に良いけど美味しくなさそう」というイメージを一新すべく、フルーツ&フレーバーをベースにした美味しくてヘルシーな新タイプのハーブティー “フルーツ&ハーブ インフュージョン”を発売したのだ。
「結果として、想定の3倍以上の小売店で採用いただきました。発売後もSNSを通じた販促により、若い世代の人たちにも注目いただきました。この商品は、ニーズの把握から商品化までお客様の生の声を何度も集めカタチにしてきました。伝統や慣習に縛られず、今のニーズをスピーディーに形にすることで紅茶市場を活性化できると実感できたことが自信にもつながりました」と沖山。
「その後、他社もフルーツハーブティーの新商品を販売するようになりました。そのおかげでハーブティー市場全体が拡大しました」と西埜が続ける。競合商品の登場は、自社製品の売上げを左右する可能性もあるが、市場全体が拡大し活気づくという側面があり、紅茶文化を広げる大きな力となっていくのである。


インフュージョン テイスティライン

逆三角形という大胆なデザインを採用した「トワイニング フラワーブーケ」

「インフュージョン テイスティライン」の発売から1年後の2017年秋には、「アールグレイ アロマティックティーシリーズ」を新たに発売した。
「この商品には“ストレス社会で活躍する皆様をアールグレイの香りで応援したい”というトワイニングの想いが込められています」と沖山。その想いをより直感的に伝えるために「Take it easy(気楽にいこう)」のeasy(イージー)とアールグレイ(Earl Grey)の頭文字を掛けた、「Take it EG」というコピーとアイコンを日本市場向けに新たに作り、これを旗印に全てのマーケティング活動を展開している。
沖山は「このコピーとアイコンが完成したときがターニングポイントでした。お客様のニーズを拾うだけでなく、想いが伝わるように工夫し商品やマーケティング活動に落とし込むプロセスは私自身にとっても大変大きな糧となりました」と言う。
時を同じくして、トワイニングの基軸であるティーバッグ製品のパッケージを刷新するなど、「リデザインプロジェクト」は着実に進行し、成果を上げている。

販売が始まりあらためて知ったパーソナルギフト市場の幅広さ

「リデザインプロジェクトは、ブランドイメージを刷新するので、新規ユーザーの獲得と同時に、既存ユーザーの離脱というリスクも抱えています」と西埜。
その両者を達成するために、調査会社、デザイン会社と協力しながら、「調査-デザイン修正-調査-デザイン修正」といった検証サイクルを初期フェーズに何度も行いました。
また、西埜は「最終的なアウトプット(デザイン完成)までの間に本当に多くのフェーズがあり、そのフェーズ毎に仔細な議論を本国(英国)と行う必要がありました。本国と意見が相違する部分も多く、最終的な合意を得るために、例えば、調査結果をすべて数値化することで主観的な意見が入り込まないようにするなど、論理的な議論を心がけました。このような一連の過程は非常に大きな経験になりました。」と言う。


アールグレイ
アロマティックティーシリーズ

逆三角形という大胆なデザインを採用した「トワイニング フラワーブーケ」

「トワイニング リデザインプロジェクト」は継続し、今後もトワイニングに求められる新しい価値を提案していく。
「これからも新しくて“ワクワクする魔法の紅茶体験”を提供し続けていきたいですね。そのためには、常にトレンドに気を配り、自分自身の感性を磨き、紅茶やマーケティングの知識や経験を深めたいと思います」と沖山。
そして西埜は、「このプロジェクトに携われていることが大きな喜びですし、やりがいと責任を実感しています。プロジェクトの推進を通して、従来の紅茶の価値を変え、日本に紅茶をもっと根付かせたいですね。日本ではまだまだ紅茶は日常的ではありません。一方英国を中心に欧米では紅茶の新しいポジションを創造しています。このギャップを埋めるべく、日本にはない新しく面白い商品を通じて、紅茶は本当に魅力的な飲み物であり、皆様をワクワクさせる力があるということを伝えていきたいです」と力強く語った。


ラージリーフティーバッグ
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